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一般財団法人(公益財団法人も同様)においては、評議員、評議員会、理事、理事会及び監事、が必置機関となります(一般社団法人及び一般財団法人に関する法律(以下、「法」)第170条1項)。
会社に置き換えてみるとわかりやすいと思います。すなわち、「評議員会」は「株主総会」であり、「理事会」は「取締役会」なのです。取締役を選ぶのが株主総会であるように、理事を選ぶのは評議員会なのです(なんてわかりやすい)。
なので、理事会で「理事の解任」を決議することは法令上できない(法177条において準用する、同法第63条)。ただし、株主総会の招集権を取締役が持っているように(会社法第296条3項)、評議員会の招集権と議案提案権は理事が持っています(法第179条3項)。評議員会で議論される議案を理事会で決定し、評議員会に通知するという流れになるわけです。このニュースが伝えているのは、要するに「解任」の前段階の話なわけで、この時点では正式に解任されたわけではない。ちなみに理事を解任するためには条件が必要で、法176条では具体的にどんな場合に評議員会が理事を解任できるのかが列挙されています。
① 職務上の義務に反し、又は職務を怠ったとき。
② 心身の故障のため、職務の執行に支障があり、又はこれに堪えないとき。
この2パターンです。
具体的な「職務」の内容は、定款で定められることもあるでしょうし、別の内部規約のようなもので定めている場合もあるでしょう。
さて、ここで気がつくことがあります。「株主総会」や一般社団法人の「社員総会」においては、役員の解任を単純多数決で行えるのに対して、一般財団法人の評議員会においては、役員の解任をする際に以上に列挙した「理由」が必要になるわけです。つまり、「正当な理由なく多数決のみによって解任」したとするならば、法176条の趣旨に反して無効と判断される可能性もあるわけです。
だからこそ、評議員への「根回し」が重要になってくるわけですね。