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とりあえず日々考えたことを書いていこうと思う。
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昨日起雲閣に行った時に、三島由紀夫の新婚旅行は熱海だったのかあ、とやけに感慨深くなったのですけど、ベタにベタな場所を行くというのもそれはそれでオツなものだと思うのですよね。ハワイとかさ。





GWどこ行くか決めかねてる時に、そうだ、熱海へ行こう、と思い立ったのも、ベタな観光地に行くことで得られるエクスタシーというか、そういうものを求めてのことだと思うのですよね。少し前まで、夏休みにハワイとか行く人たちを軽蔑したりしていたのですが、最近は少し心境も変化してきましたね。





聞くところによれば、DAIGOと北川景子氏も新婚旅行はとりあえず熱海とかいいんじゃね、的な気分になっていたらしいじゃないですか。





舌の肥えた芸能人が、とりあえず熱海(ATM)というのは、え、そんな卑近な場所でいいの!?みたいな感覚を起こすと思うんですけど、そこに卑近さを新しさに変えていく感性があるような気がするんですよね。私も今回熱海に(半ば新婚旅行気分で)行ってみて、ATMのよさを再認識させられました。





例えば最近、キラキラ系女子の間でハワイが再ブームを巻き起こしているのと同じような文脈で、熱海再発見、みたいな現象もあるのかな、という気がするんです。箱根もいいね、湘南も素敵よね、でもあえて熱海とか通な感じじゃね、みたいな雰囲気になってきているような気がします、個人的には。





少し前まで熱海といえば、うらぶられた観光地、おじさんとかおばさんが連休にこぞって行く場所、つまりはオワコン、みたいな、古き良き昭和の老害(ひどい)みたいなイメージあったと思うんですけど、風向きが少し変わってきたなあ、という気がするのは、JR東日本が去年から「伊豆クレイル」という豪華列車を小田原ー伊豆急下田間で走らせるようになってからだと思います。高級化とグローバル化が進む箱根に飽き飽きした人たちの目が、あれで伊豆半島に再び注がれることになった。





JR東日本はそういう風向きを間違いなく意識していたと思います。話をハワイに転じるなら、若い女性のハワイ再ブームにうまく乗ったのはかの「テラスハウス」というイケイケ系の兄ちゃん姉ちゃんたちがあれやこれやするチャラいテレビ番組であった。
https://www.youtube.com/watch?v=woWAxQmpS3U



湘南からハワイへの舞台チェンジというのは、視聴者の予想を良くも悪くも裏切る展開だったと思いますが、何はともあれ、狙い通りの反響を起こしたようです。「箱根」から「伊豆・熱海」へのシフトチェンジにも背景は異なりますが、同様の文脈を感じます。





最近「グアム」とか「サイパン」っていう名称をやめて「マリアナ諸島」という名称で旅行会社が売り出しているのも、ブームの再点火を狙っての戦略だという話を聞いたことがあります。ハワイが一段落して、その後釜を狙ってのことだと思いますが、こちらはなかなか厳しそうです。





今の20代半ば~30代くらいの人の親にあたる、団塊から団塊ジュニアの世代が謳歌した、伊豆、熱海、ハワイ、という「ベタな」場所が再ブームを迎えているというのは、ある意味必然性があります。おっさんおばさんらが謳歌したベタな空間・場所、が一周回って新しい感性で捉えられ始めているような。





まあでも、湘南からハワイというのは、元々テラスハウスが持っていたイケイケ系グローバリズムの方向性をより突き詰めたものだとも言えるよな。東京から少し距離があるが故に、彼岸の出来事である(それゆえ純粋に視聴者として楽しめる)物語への「憧れ」が薄まった時に、更なる彼岸が求められた。





テラスハウス・ハワイ編というのは、なんか遠すぎてよくわからんなあ、と思うのですが、その遠さの反対に、「熱海」があると思うと腑に落ちるんですよね。ああ、そうか、熱海はアンチ・グローバリズムの急先鋒なんだな、と、変に納得しました。





昨今、様々な事象でグローバリズム対アンチ・グローバリズムの対立が先鋭化していますが、「ハワイ」と「熱海」という、まったく関係性を持たない二つの地域のメディア環境を眺めてみることで見えてくる風景があるように思う。そんな視点で、ベタな観光地を眺めてみるのも面白いと思います。






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