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とりあえず日々考えたことを書いていこうと思う。
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能楽をやればそこに中世の息吹が感じられるわけではありませんからね。



今我々の知っている能楽的な世界観は多分に近世的な感性の産物ですよ。それが日本人の文化的精神の根幹にあるもの、などと、普遍的な表現が妥当するはずはないのです。



世阿弥の時代の申楽師が体現した美の世界観は近世的な荒々しさとは相いれないものだったかもしれないじゃないですか。というかその可能性が高い。近世的なイデオロギーの部分に無自覚なまま能楽を日本の精神文化の根幹に位置づけようするならば俗的な近世讃美に近づいてしまう。



頭剃ってちょんまげつけてた時代の時代精神より、それ以前の時代の感性のほうが我々にとって理解しやすい、ということもあり得るかもしれない。



和風ゴシックみたいないかにも現代風にアレンジされた和的な表象が近世を飛び越えて中世に近づいていくのは、単なる錯覚などではないのかもしれない。我々は近世的なものを古典的なものと思い込みすぎているだけなのでは。



むしろ、俗的な近世とはかけ離れた、中世的なるものと連続した近世的なるものを我々はまだ十分に捉えることができないでいるのかもしれない。



だから私は現代的な美少年は中世日本においても十分見出せたはずだと思うし、むしろ中世的な美少年は我々から見ても美少年なはずだとかってに妄想しているんですよ。


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